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食文化が育んだお酒と酒器~ワイングラスと陶磁器どちらが日本酒に向いているのか~ [日本酒飲み方のコツ]

最近雑誌で日本酒をワイングラスで飲む企画が多いようです。
カッコいいですしスタイリッシュですね。
でも、それってはたしてテイスティングにどうなんだろう?
ワイングラスって本当に日本酒に合うのだろうか?
そこで日本酒をワイングラスと陶磁器でどちらが合うのか考えてみました。
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ワイングラスはワインを美味しく飲むための酒器で、お猪口やぐい呑みは日本酒を美味しく飲むための酒器、何百年にもわたりそれぞれの食文化が育んできたものです。

では日本酒をワイングラスで飲んだら美味しく飲めるのでしょうか。

まず、無濾過生原酒を陶磁器とワイングラスで比べてみますと、
陶磁器は香りや五味をはっきりと表わしますので日本酒の味わいが良くわかります。
ただし形状から上立ち香を十分に感じられないところが欠点です。

一方のワイングラスはお酒の味をスッキリと感じさせる傾向にあります。ここが陶磁器と違うところです。
もう一つ言えるのは、生老ね香や熟成香などの軽い老ね香が感じられない点です。
これは不思議なんですが、陶磁器ではっきりと分かる生老ね香や熟成香などの軽い老ね香がグラスでは感じにくいのです。
日本酒のテイスティング用として全ての味を感じとれないグラスは適してないのです。
ただし、陶磁器はその形状からして上立ち香をうまく感じられないので、
陶磁器もワイングラスのような形状にすると香りをよく感じられるのではないかと思います。

それではワインをグラスと陶磁器で飲み比べるとどうでしょうか。
以下は赤ワインを磁器のぐい飲みで飲んだ時の感想です。「ワインを磁器のぐい呑みで飲むと渋味と酸味を感じるが、グラスの方がブドウの味を感じ美味しいしバランスも良くなる。」
ワインを陶磁器で飲むと味がしぼんでしまい、グラスで飲むと豊かな味わいになります。
やはりワインはグラスの方が向いていると言えます。

これは日本とヨーロッパのともに料理とお酒を育んできた文化の違いによるものだと思うのです。
お酒と酒器は最良の相性を発揮すべく、その国の食文化により長い年月育まれてきたのですね。

ワインはグラスが味を引き出し、日本酒は陶磁器が味を引き出す。

ただし比較的スッキリとした味わいに感じるグラスは、ドロッとしたにごり酒などを飲むときはスッキリと感じられ向いていると思います。
また陶磁器で飲んで飲みにくいと感じた場合はグラスで飲むと飲みにくさが解消される場合もあります。

テイスティングの場合は陶磁器が良いですが、普段呑まれる場合はお酒に合った飲み易い酒器で飲んでいただくのが良いと思います。



日本酒専門店 Sake芯 http://www.sake-sin.com/
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日本酒飲み方のコツ、パートⅡ [日本酒飲み方のコツ]

飲み方のコツ初回を書いてからずいぶん時間が経ってしまいました。
やっと2回目を書きます。
初回は、「器により味が変わる」です。http://sake-sin.blog.so-net.ne.jp/archive/c2301000804-1
陶磁器、ガラス、漆器それぞれ器の素材により同じ日本酒でも味が変わることを書きました。
おさらいしておきましょう。
陶磁器は、5味をクッキリと出してきます。
ガラスは、スッキリとした味わいになります。
漆器は、スモークのかかったような味となります。
日本酒によって器との相性の善し悪しがあるようです。
例えば、オリのたっぷりと入った濁り酒の場合は、陶器ですとオリの味を強めるようです。
ガラスで飲むとスッキリとしてエレガントな味わいになります。
ですから、私はにごり酒の場合はガラスの酒器が合うと思います。

さて、おさらいが長くなりました。

今回は飲み方、口に含んで飲みこむまでに飲む方法を変えると味が変わる、コツをお話ししましょう。
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皆さんは、日本酒を飲むとき口に含んだら直ぐに飲みこんでいませんか?
この飲み方だと、割とスッキリした味わいで、甘味も酸味もふくらまない味わいになると思います。
なぜそのような味になるかと言いますと、口中にある味蕾に充分に日本酒の味をキャッチさせないで飲みこんでしまうからです。
この方法だとお酒の持っている味を充分味わい尽くせないのです。

ところで、味を感知する味蕾は口の中のどの部分にあるのでしょうか?
舌にあるのはモチロンですが、上顎や喉にもあります。
味蕾の三分の二は舌に存在し、残りは上顎と喉にあります。

このように口中に分布している味蕾に充分に味をキャッチさせてやるには、口に含んだらクチュクチュと撹拌してやり、舌や上顎など口中全体にお酒が回るようにすると、多くの味蕾で味を感じ取ることが出来ます。
この方法で飲むと甘味をより多く感じたり、酸味がクッキリと出てくるので、ボディがグラマラスな味わいになり、違うお酒に感じると思います。

もう一つは、蔵元さんなどプロの利酒師さんが行う方法で、お酒を口に含んで、口から空気を吸い込んでジュルジュルと音がするような方法で味わい、香気成分を鼻に抜いてやる方法です。
この方法は香を嗅ぎ分けるのに適しています。

このように3つの方法がありますが、どの方法が一番良いかではなく、
お酒に合った飲み方をして楽しめば良いのです。
濃いと感じるお酒は、直ぐに飲み込めば、割とスッキリと飲めます。
スッキリ系のお酒は、クチュクチュと口中で充分お酒を回してやると甘味や酸味がふくらみを持って味わえます。

飲み方による方法と、器の違いによる方法を組み合わせることにより、
日本酒の楽しみはさらに広がると思います。

如何でしょうか、今晩から試してみてください。
今まで飲んでいたお酒が違う表情を見せると思います。


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仙禽 純米大吟醸 中取り ひとごこち じっくり飲みました 器で味が変わる? [日本酒飲み方のコツ]

仙禽 純米大吟醸 中取り ひとごこち を じっくり飲みました。

サンプルを飲んだ時の印象と、今度の印象は、開栓直後はあまり変わらない印象で、
やはり、やわらかくて優しくて品が良いお酒でした。

飲み進んでいくうちに、苦味が出てきて飲みにくさを感じました。
苦味や旨味の濃さにより、くどくなってしまったのです。

このときは、陶器のぐい呑みで飲んでいました。
陶器のぐい呑みは、五味の味わいをハッキリと反映し、
特に、やわらかさや優しさが良く味わえますし、香りもよく立ってきます。
ところが得てして味を増幅する場合があります。
それが飲みにくさになるところがあるのです。

そこでガラスのぐい呑みで飲んでみました。苦味は軽減し、飲みにくさも解消されて、
甘味と酸味が融合した艶やかな味わいへと変化したのです。

このように、ガラスの酒器は、比較的すっきりとした味になる傾向があります。
このお酒の場合、陶器のぐい呑みだと、苦味や旨味が増幅されくどくなるようです。

一方、ガラスのぐい呑みで飲むと、苦味や旨味の増幅が軽減され、飲みやすくなったのです。
このお酒は、ガラスの酒器との相性が良いと思いますので、ガラスの酒器で飲むことをおススメします。


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開栓直後の柔らかさや優しさをたっぷりと味わいたい場合は、陶器のぐい呑みで飲み、
その後ガラスのぐい呑みに切り替えるのも一つの方法です。

このように、日本酒は酒器の材質により、味わいが変わってきます。
その時のお酒の状態に合った酒器を選んで飲むと、さらに美味しい日本酒の世界が開けてきます。

材質により、そんなに変化する訳がないと思う方も、ぜひ一度飲み比べてください。

新しい世界が開けてきますよ。

ところで、写真の器は、手前の漆器は会津の作家山内泰次さんの根来塗り盃です。
真ん中のぐい飲みは、益子の作家、鈴木稔さんの糠釉ぐい呑みで、
釉薬が垂れた感じが唐津焼きとも違う風景を見せています。
奥のガラスのぐい飲みは、作者は不明ですが、銀の模様の入った華やかな酒器です。


お酒のお問い合わせは、http://www.sake-sin.com/index.html

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