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日本酒その常識は非常識  パート5「日本酒はどこで買っても同じ?」って本当? [日本酒その常識は非常識]

結論から先にお話しします。
日本酒は酒屋さんによって味は違います。
日本酒ニューウエーブ bySake芯
以前東京の飲食店さんからこんなことを言われました。
「同じお酒でもほかの酒屋さんから仕入れたお酒とSake芯さんから仕入れたお酒では、Sake芯さんの方が美味しいのはどうしてですか?」
私は管理が違うからですと答えました。
日本酒は管理によって味が違ってきます。

なぜ味が違うのでしょう
当店では-5度の氷温庫で管理しています。
日本酒は酵素などの働きにより劣化していきますが、
劣化するスピードは温度が高いほど早くなります。
+5度の冷蔵庫と-5度の冷蔵庫では10度の差がありますので味の変化はかなり違います。
劣化するスピードは-5度の方が当然遅くなります。
リーチインと呼ばれるガラスの冷蔵ショーケースではもう少し温度は高くなると思います。

味の違うもう一つの理由
それは輸送中の温度です。
当店では冬季以外は蔵元さんからクール便で送ってもらいます。
クール便代金は蔵元さん払いのところはまだ少ないですから、当店で負担します。
大多数の酒屋さんはクールで送ってもらっていないと思います。
常温で送った場合、気温が高くなると日本酒は一晩で劣化します。
私は何度も経験していますのでそれ以後クール便で送ってもらうようにしました。
火入れ酒も同じくクールで送ってもらっています。

火入れ酒は強くない
火入れ酒は劣化の要因である酵素の働きを止めるため65度ぐらいの低温で殺菌処理しますので、劣化に強いように思われていますが、瓶燗1回火入れのお酒は生酒と同じ扱いです。
同じ低温殺菌の牛乳を冷蔵管理するのと同じです。
これも実際に経験したところですが、初夏に常温で送ってもらった火入れ酒が一晩で劣化しました。
生酒より少し強いですが冷蔵管理は必要です。

徹底した低温管理が味の違いを生み出す
日本酒の管理で重要なのは保管温度と輸送温度です。
Sake芯では保管温度と輸送温度を徹底して低温管理していますので、
美味しさを保っています。
Sake芯イメージ bySake芯
日本酒を買うなら徹底した低温管理を行っているSake芯でどうぞ。


日本酒専門店 Sake芯 http://www.sake-sin.com/
Sake芯 ショッピングサイト http://shop.sake-sin.com/


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日本酒その常識は非常識パート4 「日本酒はワイングラスで飲むと美味しい」って本当? [日本酒その常識は非常識]

「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」などの催しも開催されワイングラスで日本酒を飲むのが流行っています。
また、お洒落な日本酒バーなどでもワイングラスで提供するのが通常となっています。
このように日本酒はワイングラスで飲むと美味しいと一般に思われています。
しかし本当にそうでしょうか?
今回は「日本酒はワイングラスで飲むと美味しい」を検証していきます。
ワイングラス bySake芯

日本酒の味わいは香りだけではない
日本酒はワイングラスで飲むと香りがよくわかると言われています。
たしかにグラスの形状により香りはよくわかります。
しかし日本酒の味わいは香りだけではありません、多くの味の要素が多層に重ね合わされて紡ぎ出された繊細な味わいが魅力であって香りだけを楽しむものではありません。
日本酒の味は甘辛酸苦渋の五味からなり、五味に関する多くの「うまみ」成分から構成されています。
唐津ぐい吞み bySake芯

五味を味わうのに適した酒器は
陶磁器は日本酒の味の要素である五味をはっきりと浮き上がらせてくれます。
それに引き換えグラスはスッキリとした味になり、陶磁器ほど五味をはっきりと表現してくれません。
試しに陶磁器のぐい吞みとガラスのぐい吞みで同じお酒を飲み比べてみてください。違いがすぐ判るはずです。
ちなみにワイングラスはたまに生ヒネがマスキングされて分からなくなることがありますのでお気を付けください。
ガラス酒器 bySake芯

お酒の香りには上立ち香と含み香がある
上立ち香は液面から立ち上がる香りで、含み香は口に含んでから香る香りです。
上立ち香はエピローグであり、含んだ時の味や香りを暗示させるものです。
上立ち香は華やかな香りでも、含むとあまり香らない場合もあり、重要なのは含んだ時の味や香りです。
ワイングラスで香りがよく分かるのは上立ち香です。
お酒の評価は上立ち香だけでは決まりません、含んだ時の香りや味で評価は決まります。
日本酒に適しているのは五味が良くわかる酒器の方が良いのです。

陶磁器は香りが分かりづらいと言われていますが
小さなお猪口だと確かに香りは分かりにくいですが、鼻を覆うような大きなぐい吞みなら鼻が液面に近づけられ香りがよくわかります。
ちなみに私は大ぶりの白磁のぐい吞みを使用します。色を見るには蛇の目模様の無い方が色がよくわかりますし、大きい方が温度の変化を楽しめます。
お酒の液面の色やテリを見ればそのお酒が健康かどうかが分かります。白磁はお酒の表情を見るのに一番適した酒器なのです。

最後に
日本酒の醍醐味は五味といわれる「うまみ」成分を味わうことです。
洒落たワイングラスも良いですが、「うまみ」を存分に味わえる陶磁器の酒器で飲んでみることをお勧めします。
陶磁器は陶器と磁器で素材が違いますし色や形も千差万別、陶磁器で飲む楽しさを味わってみてください。


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日本酒その常識は非常識 パート3 「日本酒に賞味期限は無い」って本当? [日本酒その常識は非常識]

「日本酒その常識は非常識」は今まで本や雑誌や巷の通説で言われている日本酒の常識にスポットをあて検証していく企画で、その第3弾です。

よく言われている「日本酒に賞味期限は無く、冷暗所に置いておけば何年たっても飲める」は本当なのでしょうか。

賞味期限とは、農林水産省ホームページによりますと、賞味期限は「おいしく食べることができる期限」のことで、消費期限は「安全に食べられる期限」と記載されています。

日本酒のラベルには消費期限や賞味期限は記載されていません。
alpha風の森type3 裏ラベル bySake芯
これは、何年たっても日本酒は腐らず、不味くても飲むことができるからです。
しかし美味しく飲むことができる期限はあります。
正しくは「消費期限は無い」が正解で、美味しく飲むことのできる賞味期限はあります。

飲むことができると言っても実際には10年もたてば瓶の底にオリが沈殿しますし、色も茶褐色で、飲んでも紹興酒のような香りや苦味が出て美味しくありません。美味しい古酒にするにはそれなりの管理が必要です。

よく「日本酒の賞味期限はどのくらいですか」と聞かれるのですが、開栓していない生酒の場合、家庭用の冷蔵庫でおおむね3か月とお答えしています。
しかし本当は劣化が早いお酒もありますし、劣化しにくいお酒もありますので一概に何か月と言えません。
またマイナス5度の氷温で管理した場合と家庭用冷蔵庫で管理した場合とでは劣化するスピードは異なります。
氷温で管理した場合は劣化するスピードが遅くなりますので、3か月以上美味しく飲むことができますが、家庭用の冷蔵庫の温度(3~5度)では劣化は早くなります。

またアルコール度が低いお酒ほど劣化は早くなりますので早く飲むことをお勧めします。
糖分の多い甘いお酒も劣化は早くなります。
そして経験上、速醸より山廃や生モトの方が劣化に強いようです。

このように管理温度やアルコール度数や甘辛度そして仕込み方法の違いにより劣化するスピードは異なってきますので賞味期限は一概に言えないのです。

それでは劣化に強いお酒をお教えします。
炭酸ガスが溶存したお酒を一回火入れしたものが劣化に強いです。
生酒より火入れ酒の方が劣化には強く、しかも炭酸ガスが溶存していますと酸化の原因となる酸素が入り込む余地が少なくなりますので、二重の効果で劣化に非常に強くなります。
ALPHA風の森TYPE3はガス感のある火入れ酒で、本来は輸出用に造られたもの、劣化に強いお酒です。
alpha-風の森-type3 bySake芯
家庭用の冷蔵庫で長期間保存せず、美味しいと思って買われたら直ぐに飲むのが一番と思います。

「日本酒その常識は非常識」では今後も巷の通説について鋭く切り込んでいきたいと思います。


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日本酒その常識は非常識 パート2 「火入れしたお酒は劣化しにくい」は本当? [日本酒その常識は非常識]

「日本酒その常識は非常識」は今まで本や雑誌や巷の通説で言われている日本酒の常識にスポットをあて検証していく企画で、その第2弾です。

第2回は「火入れしたお酒は劣化しにくい」は本当なのでしょうか。実際に体験したことを踏まえて書いていきます。
火入れ酒 bySAKE芯
日本酒は冷蔵保管が一般的です。
できれば-5度の氷温で保管することをお勧めします。
最近では中田英寿さんが日本酒の保管温度は-5度が良いと宣伝していただいたお陰で、-5度の管理が浸透し始めています。
では火入れしたお酒はどうなのでしょうか。
通説では火入れ酒は劣化に強いため、ある程度常温で冷暗所に置いておけば大丈夫と言われています。

火入れ酒とは1回または2回火入れしたお酒です。
当店で取り扱っている火入れ酒は1回火入れです。
1回火入れ酒は65度前後の温度で火入れ殺菌したお酒です。
牛乳と同じ低温殺菌です。
牛乳は買ったら冷蔵庫に入れておきますよね、1回火入れ酒も牛乳と同じで冷蔵管理が基本です。

1回火入れ酒を夏に常温で流通させた場合は一晩で劣化します。
私は何回か経験しています。
私の場合は劣化した状態がどんな味になるか良く分かっているので飲めば分かります。
しかし買ったお酒が劣化しているかしていないかは本来の正常な状態のお酒と飲み比べることが難しい一般の方は判別が難しいのではないでしょうか。

このように火入れ酒であっても常温の高い温度に置かれれば劣化が進みます。
ただし、生酒よりは劣化に強いのです。
一部の蔵元さんでは1回火入れ酒を-5度の氷温庫で保管しています。
氷温であれば劣化するスピードは遅く出来ます。しかし生酒と同じく劣化を止めることは出来ません。
蔵元さんの中には火入れした純米大吟醸を氷温で保管すると美味しくなると言われる方もいらっしゃいます。

以前、開栓していない純米大吟醸をうっかり家庭用冷蔵庫で2週間置いてしまいました。
開栓して飲んでみると老ねていました。
あわてて-5度の氷温庫に入れてある同じお酒を開けてみると、こちらは劣化していませんでした。
たったの2週間ですが家庭用冷蔵庫の4~5度の温度では火入れ酒でも劣化は早く進むのです。

こんなこともありました。
高い温度で管理したため劣化し香りも乏しく苦味も出て老ねてしまった純米大吟醸を氷温庫に1ヵ月半入れておいたのですが、開けて飲んでみると驚きました、素晴らしい吟醸香とフルーティな味わいを取り戻し本来の味に戻っていたのです。
これはフィクションではありません、私が実際に経験した真実です。
氷温に入れておくと本来の味が復活する、-5度のマジックなのです。

一般的に火入れ酒は劣化に強いため冷暗所に置いておけば大丈夫と言われていますが、このような事実を考えると火入れ酒といえども冷蔵庫またはできれば氷温で管理することが望ましいのです。

※3年氷温で管理した若波純米大吟醸令和記念酒。3年寝かしたお酒と思えない老ねなどの劣化の無いフレッシュな果実味が素晴らしいお酒です。
生酒だとこうはいきません。火入れした純米大吟醸酒は氷温で寝かせることにより昇華する場合があります。この点が生酒より火入れ酒のほうが劣化に強いと言えます。
若波令和記念酒 bySAKE芯
実際に体験したことから言えるのは、日本酒は生酒も火入れ酒も-5度の氷温で管理するのがもっとも適しているのです。

「日本酒その常識は非常識」では今後も巷の通説について鋭く切り込んでいきたいと思います。


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日本酒その常識は非常識 パート1 料理の邪魔をしないお酒が最高の食中酒?ではない [日本酒その常識は非常識]

「日本酒その常識は非常識」は今まで本や雑誌や巷の通説で言われている日本酒の常識にスポットをあて検証していく企画です。

第1回は「料理の邪魔をしないお酒が最高の食中酒?ではない」

昔から「料理の邪魔をしないお酒が最高の食中酒」と言われてきました。
ところが私は前からこの言葉に疑問を持っていました。
それは日本酒の会を30年やってきて、会員から毎回のように「このお酒料理に負けてしまってダメだ」と感想を言われるからです。

たしかに腰の弱い存在感の希薄なお酒は料理とのバランスが悪くなり、折角の素晴らしい料理も台無しになります。
しっかりとしたボディのあるお酒だと料理の味を支えて、料理も引き立ちお酒も引き立つものです。
口の中で両者は互角になる、これが理想です。
刺身 bySAKE芯
料理に合う日本酒は、料理の邪魔をしない引き立て役ではなく、日本酒が料理と口中で互いの味を引き立て合い、素晴らしい相乗効果を生み、口中で昇華していくのが料理に合う日本酒と考えます。
ワインと料理の相性で言われているマリアージュと同じですね。

そのためには、料理に負けないしっかりとしたボディがあり、
料理を優しく包み込む包容力を持ったお酒が理想の食中酒です。
ワインに料理の邪魔をしないワインなど有りません。日本酒も同じです。

私は試してみないと気がすまない性質ですからお酒の会で試してみました。
「食中に向くお酒は」というテーマで、食中向きに造ったお酒や、まったく考慮しないで造ったお酒など数種類試してみました。
そして食中酒に向いているか向いていないかを参加者に評価していただきました。

食中に向いていないと票が一番多く入ったのは、実は食中酒を目指したお酒でした。食中向きに造られたお酒が必ずしも食中酒に向いていないことが分かりました。

一方食中に一番向いていると票を獲得したのは「豊賀」でした。
豊賀 bySAKE芯
食中酒を標榜したお酒ではありませんが、しっかりとしたボディが料理に負けず料理を支えるところが食中向きと評価されました。
その他食中酒を目指したお酒ではない「川中島幻舞純米吟醸金紋錦」が食中向きと多くの票をいただきました。
本来カプロン酸系酵母のお酒は内在するメタリックな苦味により料理と合いにくいのですが、幻舞の優しさが料理にフィットし、しかも飲んでも素晴らしく美味であることが評価されたのだと思います。
試してみて「料理の邪魔をしないお酒が最高の食中酒」ではないことが実感されました。

昔からコース料理の最初から最後まで1本の日本酒で通すことが普通に行われてきましたので、料理に日本酒を合わせることは考えていなかったのです。
ですから水口の存在感の無いお酒なら無難に飲めると考えたのだと思います。
現代では料理も様々で日本酒もバリエーションが増え、ワインと同じように十分吟味して日本酒を選べば大抵の料理に合う幅広さが日本酒にはあります。

理想の食中酒とは、
まず飲んで美味しいことが第一条件で、
次に料理に負けないしっかりとしたボディで料理を支え、
料理に優しくフィットする柔軟さがあることです。

「日本酒その常識は非常識」では今後も巷の通説について鋭く切り込んでいきたいと思います。


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タグ:豊賀
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