仙禽木桶仕込山廃純米亀の尾の現在・過去・未来 [日本酒の不思議]

仙禽 木桶仕込 山廃純米 亀の尾 無濾過生原酒 21BY」が入荷しました。
早速試飲しました。
仙禽木桶仕込山廃純米亀の尾生.jpg
柔らかい含みの中をアプリコットのような甘酸っぱい酸味が主張して来ます。後半ごくキメ細かい苦味とも辛味ともいえるような味をかすかに感じて終わります。

二口目、甘酸っぱさが大きくふくらむのを上手く抑制して申し分のないボリューム感です。やがて辛味がミストシャワーのように降り注ぎ、柑橘類の森にいるかのような世界を展開します。
温まってくると、オレンジのような饒舌な甘酸っぱさとカシスのような辛味で、明るい色彩に彩られる情景が楽しいです。これは良いですね。

この甘酸っぱさのボリュームからすると濃いのですが、むしろ軽やかささえ感じます。
後半出てくるカシスのような辛味を伴った酸味が辛口に切れて終わるのも良いです。
柔らかさは包容力を感じさせ、この柔らかさはきっと肉に合いますね。

仙禽さんの木桶仕込山廃純米全般に言えることですが、肉にとても良く合うのです。
フランス料理との相性を探るべく、過去17年間に17回フランス料理と日本酒を合わせる会を行ってきましたが。肉に合う日本酒の条件として、包容力の大きな日本酒が肉に合うことが分かりました。包容力と抽象的な表現になってしまいますが、古酒が合うとか山廃が合うとか、型にはめて一概に言えないのです。

17回の中では、純米吟醸や純米を肉に合わせた数の方が圧倒的に多いのです。
例えば今までで一番肉に合うなと感じたのは、静岡県の某蔵元さんの純米大吟醸でした。また、山口県の蔵元さんの愛山を使用した比較的香りのある純米吟醸のお酒がフォアグラに良く合いました。
これらのお酒の共通項として「包容力」があげられます。肉に合わせる日本酒として「包容力を持った日本酒」を選択肢の1つとしても良いのではと思います。

同じく「仙禽 木桶仕込 山廃純米 亀の尾 無濾過生原酒 20BY」も極少量と云うよりも数本入荷しました。これで蔵元さんも完売だそうです。
このお酒、開栓したては少しヒネを感じ、枯れた古酒の感じもあり、苦味もあってどうかなと思いましたが、
翌日はヒネも消え、苦味も減少して、なにより活き活きとした生命力あふれる色香が出てきてガラリと酒質が変わりました。
不思議ですね、開栓したてのあの枯れた感じと苦味はどこへ消えたのでしょうか?
だれがこんな劇的な変化を予測し得たでしょうか?
日本酒って面白いですね。だから日本酒の魅力にハマッてしまうのです。

温まるとこなれた柔らかい甘酸っぱさが広がり、中盤からシルキーな苦味も加わって美味しいです。この軽やかで柔らかい甘酸っぱさが素晴らしいですね!

当店には同じ「仙禽 木桶仕込 山廃純米 亀の尾 瓶燗火入 20BY」もあります。
亀の尾の20BYで火入と無濾過生の両方揃っているのです。
3本表.jpg

同じ酒が並んでいるだけじゃないかと思えるような写真です。
でも違うんです。左から20BYの火入れ、真ん中20BYの生原酒、右側21BY
このボトル、「アナタが選ぶ地酒大Show2010夏」http://www.sakejapan.com/index.php?option=com_content&view=article&id=494:show2010&catid=36:show
でデザイン大Showのゴールド賞を受賞しております。
デザインは力なりと言われますが、この味があって、あのボトルデザインが生きてくるのです。
3本の裏.jpg

火入の20BYのお酒は、木桶仕込山廃純米亀の尾と同じ味のライン上にあるのですが、21BYの生酒を比べると、どっしりとした強靭なボディを持ったお酒です。生酒の方はどこか軽やかで柔らかい感じがします。

20BYの生原酒、そして21BYの生原酒を比べながら飲むと、21BYのお酒の未来が推測できますし、熟成とは何かが分かるような気がします。
21BYは、軽やかさを感じるのですが、20BYはどっしりとしています。
カシスのような辛口の酸味は、20BYでは強く出てきます。
21BYがライトウエイトなレッドカーラント系であるのに対し、20BYはヘビーウエイトなブラックカーラント系であると言えます。
21BYのお酒が、来年どう熟成するのでしょうか?20BYと同じような傾向になるのでしょうか?それは分かりません。予測がつかないから面白いともいえます。

仙禽 木桶仕込 山廃純米 亀の尾」という稀有の個性を持ったこの酒は、
日本酒の範疇に収まらない大きなスケールを持った新感覚の日本酒です。
他の日本酒とは明らかに違う魅力に感動すら覚える方がいます。
私もその一人です。

良い日本酒とは何か?
と問われれば、私はこう答えます。「良い個性を持った日本酒だ」と。


なお、21BYの無濾過生はネットで販売しておりますが、20BYの火入と無濾過生は両方とも本数が少ない為、ネットでは紹介しておりません。
興味のある方は、下記へ直接お問い合わせ下さい。
sakesin@sake-sin.com

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日本酒フェスティバル事務局

突然のサイトご訪問失礼いたします。
皆様酒好きの方々がお集まりかと存じますので、不躾ながら、日本酒の会の告知にこの場をお借りできれば、と存じます。
よろしくお願いいたします。
本年はブース出展59蔵・ご出品酒79蔵。過去最大の規模で開催いたします。
________________________________________
日本酒フェスティバル2010
日時 2010年7月11日(日)
     昼の会 12:30~15:30 
     夜の会 16:30~20:00
会場 東京プリンスホテル プロビデンスホール
    〒105-8560
      東京都港区芝公園3-3-1 TEL03-3422-1111
     ≪交通≫都営地下鉄三田腺 御成門駅から徒歩1分
           JR腺・東京モノレール 浜松町駅から徒歩10分 
会費 前売 各回 7000円 1日通し券 10000円 ペア券 12000円
    当日 各回 9000円 1日通し券 12000円 ペア券 16000円
                                        (全て税込み)
  ※各回先着130名様に仙台の老舗「あさべや菓子舗」の和菓子をプレゼント
    その他10回大会を記念してサプライズもいっぱい

ご参加蔵元一覧は以下のサイトでご覧いただけます。
http://blogs.yahoo.co.jp/fujiikiba/archive/2010/7/2

【チケット御入手方法】
  ①「酒縁川島」の店頭にて販売しております(18:30~23:30)
  ②以下の口座にお申し込みの券名(昼の会・夜の会・一日通し券 等)と必要枚数をご記入の上ご入金ください。

   郵便振替 00160-3-80007 酒縁の会事務局
   みずほ銀行戸越支店 普通預金2046399 川島酒縁の会 川島孝夫

   当日はお振込の際のご利用明細表がチケットの代わりになりますので、当日お忘れなくお持ちいただき、受付にお渡しください

主催/川島酒縁の会・日本酒伝承の会 協力/燗酒普及協会
<お問い合わせ>TEL/FAX 03-3785-8806 フリーダイヤル 0120-85-8806  

by 日本酒フェスティバル事務局 (2010-07-05 22:18) 

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