日本酒その常識は非常識 パート1 料理の邪魔をしないお酒が最高の食中酒?ではない [日本酒その常識は非常識]

「日本酒その常識は非常識」は今まで本や雑誌や巷の通説で言われている日本酒の常識にスポットをあて検証していく企画です。

第1回は「料理の邪魔をしないお酒が最高の食中酒?ではない」

昔から「料理の邪魔をしないお酒が最高の食中酒」と言われてきました。
ところが私は前からこの言葉に疑問を持っていました。
それは日本酒の会を30年やってきて、会員から毎回のように「このお酒料理に負けてしまってダメだ」と感想を言われるからです。

たしかに腰の弱い存在感の希薄なお酒は料理とのバランスが悪くなり、折角の素晴らしい料理も台無しになります。
しっかりとしたボディのあるお酒だと料理の味を支えて、料理も引き立ちお酒も引き立つものです。
口の中で両者は互角になる、これが理想です。
刺身 bySAKE芯
料理に合う日本酒は、料理の邪魔をしない引き立て役ではなく、日本酒が料理と口中で互いの味を引き立て合い、素晴らしい相乗効果を生み、口中で昇華していくのが料理に合う日本酒と考えます。
ワインと料理の相性で言われているマリアージュと同じですね。

そのためには、料理に負けないしっかりとしたボディがあり、
料理を優しく包み込む包容力を持ったお酒が理想の食中酒です。
ワインに料理の邪魔をしないワインなど有りません。日本酒も同じです。

私は試してみないと気がすまない性質ですからお酒の会で試してみました。
「食中に向くお酒は」というテーマで、食中向きに造ったお酒や、まったく考慮しないで造ったお酒など数種類試してみました。
そして食中酒に向いているか向いていないかを参加者に評価していただきました。

食中に向いていないと票が一番多く入ったのは、実は食中酒を目指したお酒でした。食中向きに造られたお酒が必ずしも食中酒に向いていないことが分かりました。

一方食中に一番向いていると票を獲得したのは「豊賀」でした。
豊賀 bySAKE芯
食中酒を標榜したお酒ではありませんが、しっかりとしたボディが料理に負けず料理を支えるところが食中向きと評価されました。
その他食中酒を目指したお酒ではない「川中島幻舞純米吟醸金紋錦」が食中向きと多くの票をいただきました。
本来カプロン酸系酵母のお酒は内在するメタリックな苦味により料理と合いにくいのですが、幻舞の優しさが料理にフィットし、しかも飲んでも素晴らしく美味であることが評価されたのだと思います。
試してみて「料理の邪魔をしないお酒が最高の食中酒」ではないことが実感されました。

昔からコース料理の最初から最後まで1本の日本酒で通すことが普通に行われてきましたので、料理に日本酒を合わせることは考えていなかったのです。
ですから水口の存在感の無いお酒なら無難に飲めると考えたのだと思います。
現代では料理も様々で日本酒もバリエーションが増え、ワインと同じように十分吟味して日本酒を選べば大抵の料理に合う幅広さが日本酒にはあります。

理想の食中酒とは、
まず飲んで美味しいことが第一条件で、
次に料理に負けないしっかりとしたボディで料理を支え、
料理に優しくフィットする柔軟さがあることです。

「日本酒その常識は非常識」では今後も巷の通説について鋭く切り込んでいきたいと思います。


日本酒専門店 Sake芯 http://www.sake-sin.com/
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