「フランス料理に日本酒を合わせるコツ」 使っている食材とソースを考え日本酒を選択することが最高のマリアージュを生み出す最良の方法 [料理と日本酒の相性]
酒販店である私が料理と日本酒の相性を語るなどおこがましいのですが、
料理と日本酒の相性を突き詰めて考察した記事が見当たらないため、
参考になればと思い書いてみます。
私がフランス料理に初めて日本酒を合わせたのは平成5年ですからもう21年前になります。以来23回行っています。
当時は、フランス料理に日本酒を合わせるなど考えられない時代でした。フランス料理にはワインを合わせるのがあたりまえでしたし、日本酒よりワインの方が高級なお酒と思われていました。
当時某ホテルにフランス料理に日本酒を合わせたいと話を持ち込みましたが、シェフは渋っていたそうです、支配人が南仏系の料理に日本酒はきっと合うはずとシェフを口説いていただいて第1回が始まり大成功をおさめ以後今日まで続いています。
今までの経験からフランス料理に日本酒を合わせるコツのようなものが少しは分かってきたつもりです。
先日行った「フランス料理と笑四季を楽しむ会」において料理とお酒の相性が素晴らしかったので、その時料理に合わせるお酒を選択した考え方と、相性の結果はどうであったかを書いてみます。
~料理~
・マグロのタルタルとアヴォカドのムース サラダ仕立て
・フォアグラのポワレ 茸のアラクレームミルフィーユ仕立トリュフソース
・冷製ポタージュ “ヴィシソワーズ” コンソメのジュレを浮かべて
・アントレーコートグリル(サーロイン) 濃厚な赤ワインのソース
・桃のコンポートとジュレ ミント風味のスープ仕立て
~料理に日本酒を合わせる基本的考え方~
マグロ、フォアグラ、サーロインは油脂分が多い料理です。
経験上脂の多い料理には甘口のお酒を合わせると良く合いますので、甘口のお酒を選びます。
ポタージュは品の良いお酒が合うと思います。これも経験上の選択です。
桃のコンポートはミント風味ですので同じフレーバーを持ったお酒が合うと思いました。
~お酒の選定~
・マグロのタルタルとアヴォカドのムース サラダ仕立て
この料理には、モンスーン玉栄を選びました。このお酒は甘口のお酒で酸味もありますので、脂のあるマグロに合いますし、お酒の酸味がバルサミコ酢にも合うと考えました。
・フォアグラのポワレ 茸のアラクレームミルフィーユ仕立トリュフソース
フォアグラは濃厚な脂があるため、甘味が柔らかく芳醇な味わいのモンスーン山田錦にしました。ソースとお酒の柔らかな味わいが合うと考えました。
・冷製ポタージュ “ヴィシソワーズ” コンソメのジュレを浮かべて
この料理には吟醸系の品の良いお酒が合うと考え、純米大吟醸規格のマスターピース6号生を選択しました。金沢酵母の品の良い香りが合うと思いました。
・アントレーコートグリル(サーロイン) 濃厚な赤ワインのソース
この料理には、モンスーン山田錦プロトタイプを選びました。サーロインの脂と濃厚なソースに負けないボディを持ち、切れの良い酸が脂を切ってくれると考えました。
・桃のコンポートとジュレ ミント風味のスープ仕立て
ミントにはミント系のフレーバーを持っているマスターピース3号火入れを選択しました。事前にもらったメニューを見ながらこのお酒のサンプルを飲んだ瞬間に爽やかなミント系の苦味を感じるフレーバーが桃のコンポートに合うと思いました。
~相性の検証~
マグロのタルタル
マグロの脂がモンスーン玉栄の甘味に良く合っていましたし、バルサミコソースと玉栄の酸味も良く合っています。甘いだけのお酒だけではこの料理に合いません。ソースのバルサミコ酢に合わせる柑橘系の酸味を持っていないと合わないのです。モンスーン玉栄は絶品の相性で、マグロとモンスーンが品の良いマリアージュを生み出していました。
フォアグラのポワレ
フォアグラの柔らかで優しい味わいにモンスーン山田錦の優しさがフィットして、最後は酸で切って素晴らしいマリアージュです。ワインより合うとの声も聞かれました。ソースの芳しい香りにモンスーンのフルーツ香が良く合います。
同じモンスーンでも玉栄を合わせると、フォアグラの味を切りすぎてしまい今一つの相性です。モンスーン山田錦とフォアグラは素晴らしい絶妙のマリアージュでした。
冷製ポタージュ ヴィシソワーズ
マスターピース6号生の相性も絶品です。ヴィシソワーズの味にお酒のキメ細かい酸味がすごく良く合っていました。
アントレーコート(サーロイン)グリル
モンスーン山田錦プロトタイプの爽やかな酸がサーロインの濃厚な脂を切り最後に味を引き締めていて良い相性です。お酒単体で飲むと甘さを感じるのですが、料理と合わせると甘さは感じず良い相性です。これも素晴らしいマリアージュです。
桃のコンポートとジュレ
桃とミント風味のソースに同系統のミンティなフレーバーを持つマスターピース3号火入れはピッタリの相性です。
~キーポイント~
・脂の多い料理には甘口のお酒・・・人間の体が必要とする栄養素は脂分であり、脳が必要とする栄養素は糖分であるため、脂と糖は人間が本能的にお美味しいと感じてしまうのです。
・酸には酸で合わせる
・品の良い料理には品の良いお酒
・同じフレーバーを持つお酒
日本酒と料理の相性を定型的に分類することが行われていますが、
今回のように同じモンスーンでもお米や酵母の違いによりフォアグラに合ったり合わなかったりしますので、定型的に分類することは不可能です。
食材は何か、ソースは何を使っているかを考え、料理に合わせる日本酒を選択していくことが最高のマリアージュを生み出す最良の方法です。
日本酒専門店 Sake芯 http://www.sake-sin.com/
Sake芯 ショッピングサイト http://shop.sake-sin.com/
いつもブログ見ていただき有難うございます。
ブログランキングに参加しています。
下をポチッと押して頂けると嬉しいです。
よろしくお願いします。
にほんブログ村
料理と日本酒の相性を突き詰めて考察した記事が見当たらないため、
参考になればと思い書いてみます。
私がフランス料理に初めて日本酒を合わせたのは平成5年ですからもう21年前になります。以来23回行っています。
当時は、フランス料理に日本酒を合わせるなど考えられない時代でした。フランス料理にはワインを合わせるのがあたりまえでしたし、日本酒よりワインの方が高級なお酒と思われていました。
当時某ホテルにフランス料理に日本酒を合わせたいと話を持ち込みましたが、シェフは渋っていたそうです、支配人が南仏系の料理に日本酒はきっと合うはずとシェフを口説いていただいて第1回が始まり大成功をおさめ以後今日まで続いています。
今までの経験からフランス料理に日本酒を合わせるコツのようなものが少しは分かってきたつもりです。
先日行った「フランス料理と笑四季を楽しむ会」において料理とお酒の相性が素晴らしかったので、その時料理に合わせるお酒を選択した考え方と、相性の結果はどうであったかを書いてみます。
~料理~
・マグロのタルタルとアヴォカドのムース サラダ仕立て
・フォアグラのポワレ 茸のアラクレームミルフィーユ仕立トリュフソース
・冷製ポタージュ “ヴィシソワーズ” コンソメのジュレを浮かべて
・アントレーコートグリル(サーロイン) 濃厚な赤ワインのソース
・桃のコンポートとジュレ ミント風味のスープ仕立て
~料理に日本酒を合わせる基本的考え方~
マグロ、フォアグラ、サーロインは油脂分が多い料理です。
経験上脂の多い料理には甘口のお酒を合わせると良く合いますので、甘口のお酒を選びます。
ポタージュは品の良いお酒が合うと思います。これも経験上の選択です。
桃のコンポートはミント風味ですので同じフレーバーを持ったお酒が合うと思いました。
~お酒の選定~
・マグロのタルタルとアヴォカドのムース サラダ仕立て
この料理には、モンスーン玉栄を選びました。このお酒は甘口のお酒で酸味もありますので、脂のあるマグロに合いますし、お酒の酸味がバルサミコ酢にも合うと考えました。
・フォアグラのポワレ 茸のアラクレームミルフィーユ仕立トリュフソース
フォアグラは濃厚な脂があるため、甘味が柔らかく芳醇な味わいのモンスーン山田錦にしました。ソースとお酒の柔らかな味わいが合うと考えました。
・冷製ポタージュ “ヴィシソワーズ” コンソメのジュレを浮かべて
この料理には吟醸系の品の良いお酒が合うと考え、純米大吟醸規格のマスターピース6号生を選択しました。金沢酵母の品の良い香りが合うと思いました。
・アントレーコートグリル(サーロイン) 濃厚な赤ワインのソース
この料理には、モンスーン山田錦プロトタイプを選びました。サーロインの脂と濃厚なソースに負けないボディを持ち、切れの良い酸が脂を切ってくれると考えました。
・桃のコンポートとジュレ ミント風味のスープ仕立て
ミントにはミント系のフレーバーを持っているマスターピース3号火入れを選択しました。事前にもらったメニューを見ながらこのお酒のサンプルを飲んだ瞬間に爽やかなミント系の苦味を感じるフレーバーが桃のコンポートに合うと思いました。
~相性の検証~
マグロのタルタル
マグロの脂がモンスーン玉栄の甘味に良く合っていましたし、バルサミコソースと玉栄の酸味も良く合っています。甘いだけのお酒だけではこの料理に合いません。ソースのバルサミコ酢に合わせる柑橘系の酸味を持っていないと合わないのです。モンスーン玉栄は絶品の相性で、マグロとモンスーンが品の良いマリアージュを生み出していました。
フォアグラのポワレ
フォアグラの柔らかで優しい味わいにモンスーン山田錦の優しさがフィットして、最後は酸で切って素晴らしいマリアージュです。ワインより合うとの声も聞かれました。ソースの芳しい香りにモンスーンのフルーツ香が良く合います。
同じモンスーンでも玉栄を合わせると、フォアグラの味を切りすぎてしまい今一つの相性です。モンスーン山田錦とフォアグラは素晴らしい絶妙のマリアージュでした。
冷製ポタージュ ヴィシソワーズ
マスターピース6号生の相性も絶品です。ヴィシソワーズの味にお酒のキメ細かい酸味がすごく良く合っていました。
アントレーコート(サーロイン)グリル
モンスーン山田錦プロトタイプの爽やかな酸がサーロインの濃厚な脂を切り最後に味を引き締めていて良い相性です。お酒単体で飲むと甘さを感じるのですが、料理と合わせると甘さは感じず良い相性です。これも素晴らしいマリアージュです。
桃のコンポートとジュレ
桃とミント風味のソースに同系統のミンティなフレーバーを持つマスターピース3号火入れはピッタリの相性です。
~キーポイント~
・脂の多い料理には甘口のお酒・・・人間の体が必要とする栄養素は脂分であり、脳が必要とする栄養素は糖分であるため、脂と糖は人間が本能的にお美味しいと感じてしまうのです。
・酸には酸で合わせる
・品の良い料理には品の良いお酒
・同じフレーバーを持つお酒
日本酒と料理の相性を定型的に分類することが行われていますが、
今回のように同じモンスーンでもお米や酵母の違いによりフォアグラに合ったり合わなかったりしますので、定型的に分類することは不可能です。
食材は何か、ソースは何を使っているかを考え、料理に合わせる日本酒を選択していくことが最高のマリアージュを生み出す最良の方法です。
日本酒専門店 Sake芯 http://www.sake-sin.com/
Sake芯 ショッピングサイト http://shop.sake-sin.com/
いつもブログ見ていただき有難うございます。
ブログランキングに参加しています。
下をポチッと押して頂けると嬉しいです。
よろしくお願いします。
にほんブログ村
2014-07-21 13:39
nice!(0)
コメント(0)
トラックバック(0)
コメント 0