夏は自然農法により古代米「赤ひばり」を作り、冬は酒造り。 [試飲室便り]

先日Sさんが来店されました。
Sさんは千葉県のある酒蔵で蔵人として働いている方ですが、
春から秋までは長野県の佐久で自然農法によりお米や野菜を栽培しています。

去年から佐久で自然農法による農業を始められ今年で2年目になります。
台風で農作業が止まっている間に実家のある横須賀に戻られたそうです。
横須賀に戻られるといつも来店してくださいます。
美山錦玄米とミルキークイン
今年は酒米の「美山錦」と江戸時代に栽培されていた「赤ひばり」を作ったそうで、
赤ひばりは人の胸ぐらいまで伸びる背丈が高い品種で、肥料をやると伸びすぎてしまい倒伏する危険があるため肥料はやらないそうです。
肥料をやらないと根をしっかりと張り、背が伸びすぎることはなく倒伏しないそうです。
また温暖な地で栽培すると伸びすぎて倒伏する危険があるのですが、
もともと赤ひばりは長野県原産の品種だそうで、長野の地で赤ひばりを栽培するのは適しているようです。

美山錦は少し肥料をやった方が良い品種で、コシヒカリは根が深く伸びないためたくさん肥料を必要とするお米でそのように改良されてきた品種だと話していました。

赤ひばりは肥料をやらなかったため雑草がそれほど伸びず、月1回程度の除草で十分で、肥料代はゼロ、草取りは月に一回程度と、肥料代なし草取りの労力が少ない状況で、反当り6俵と自然農法にしては多い収穫が出来たそうです。

刈り取ったお米は「はぜ掛け」という稲束を「はぜ」に掛け、太陽の光と風で自然乾燥させたもので、温風機で乾燥させたお米と違い籾の中に自然の恵みを受けてお米が旨味を凝縮されるように感じるそうです。
ただ今年は10月の高温で乾燥が早く進み、乾燥具合を見極めないと割れてしまったりするためその辺が難しいようでした。

もう一つ印象に残った話は、玄米に含まれる水の質が重要だという話です。
もともとお米には15パーセント前後の水分が含まれています。
15%の水分の質がお酒の味に影響するのではないかと言うのです。
山の湧水を引き込んだ良質の水で栽培されたお米の方が良い酒ができるのではないかと話されていました。

確かにそうですね。お米1粒に15%の水分が含まれているとすると、その水分の質が確かに影響すると思います。
良い米は良い水で育った米なんですね。
Sさんの水田はどの山から水が来ているかが目で追って分かるそうで、
山の湧水を含んだお米ならきっと良い酒ができるに違いありません。

酒造りとは、良い水で育った米と良い水で仕込む、これが酒造りの基本なんですね。
石清水の国である日本はその環境を活かして昔から良い水と良い米から素晴らしい日本酒を造ってきたのです。

今年は種もみ用に赤ひばりを栽培したので、来年から本格的に作る赤ひばり楽しみですね。

お土産に頂いたミルキークイーンの艶々と輝くような食感と甘さは、お米だけで十分美味しいと思える美味しさでした。


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