仏蘭西料理に日本酒を合わせる、Sake芯酒の会 [料理と日本酒の相性]

第1回Sake芯酒の会は、仏蘭西料理を食べながら当店の日本酒を楽しむというテーマで行い、楽しんでいただきました。

日本酒の選び方は、
乾杯には、香りがある程度あり、フレッシュなお酒をということで、
川中島 幻舞 純米吟醸 しぼりたて 22BY新酒を選びました。

次に、チキンレバーのテリーヌに合わせる日本酒は、
レバーに負けないボディがあり、フルーツのような甘酸っぱさを持った豊賀特別純米にしました。シェフの話では、ソーテルヌワインのような甘口のワインが合うと聞いていましたので、豊賀が合うのではないかと思いました。

カキのソテー 白ワイン風味のエシャロットソースには、迷い無く仙禽 純米吟醸 とちぎ酒14にしました。このお酒の持つワインのような酸味がカキに合うと思ったのです。
白ワインは、魚介類に合うロワールの白ワインを選びました。
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スズキのソテー アメリカンソースには、比較的どんな料理にも合わせやすく、充実したボディを持った風の森 純米 露葉風にしました。

メインの足柄牛サーロインの網焼きボルドー産赤ワインソースには、肉に良く合う仙禽 木桶仕込 山廃純米 亀の尾と前から決めていました。
赤ワインですが、ソースがボルドーの赤ワインを使用しているので、ソースに合わせボルドーの赤ワインにしました。

以上が日本酒とワイン選びの考え方です。

メニューや日本酒・ワインの提出リストは以下の通りです。

~~~ 日本酒・ワイン出品順とメニュー ~~~
 乾杯 川中島 幻舞 純米吟醸 しぼりたて 生 22BY
料理:キッシュ ロレーヌ パイ
 豊賀 特別純米 生
料理:チキンレバーのテリーヌ
 仙禽 純米吟醸 とちぎ酒14 生
白ワイン:ロワール
  トゥーレーヌ・ソーヴィニヨン・ブラン 2009 ジャン・マリー・ペネ
料理:猿島産カキのソテー 白ワイン風味のエシャロットソース
 風の森 純米 露葉風 生
料理:猿島沖スズキのソテー アメリカンソース
 仙禽 木桶仕込 山廃純米 亀の尾 生
赤ワイン:ボルドー  シャトー・シマール1999
料理:足柄牛サーロインの網焼きボルドー産赤ワインソース
デザート

乾杯の川中島幻舞純米吟醸は、メロン系の香りが室内に漂い、うわー良い香りですね!と皆さん思わず声が上がる。
でも強烈な香りでは無く、上品な香りが匂立つような感じ。
飲むと、フレッシュな味わいに柔らかな甘味、そして爽やかな酸味。
良いですね、フレッシュな感じが乾杯には最高です。
「弾けるようなキレイな酸味が際立つ」と感想を頂きました。
サックリとしたキッシュにも良く合っています。
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続いて、チキンレバーのテリーヌに合わせた豊賀特別純米
ボリューム豊かな味わいにフルーツを思わせる香味が広がって来る。この感じ良いですね。
レバーだけで合わせると、レバーの味を一瞬で切るが、戻り香にレバー臭が少し出てくる。
甘いパンにレバーのテリーヌを載せて食べると、とても良く合い、戻り香も出ないです。
「このお酒をぬる燗で飲んでみたい」と言う方も。

次の、カキのソテー 白ワイン風味のエシャロットソースは、ロワールの白ワインと仙禽純米吟醸とちぎ酒14と合わせてみました。
ロワールの白ワインはカキにぴったりと合いますね。最初は頼りなさそうな弱い感じなのですが、カキの生臭さを完全に消して良く合っています。白ワインが魚介類に合ったのは18年もフランス料理でやっていて初めての経験ですね。
ワイン単体で飲んでも花のような香りを持った素晴らしいワインです。
白ワインは生の魚介類はダメだけど、火を通して、白ワインベースのソースにすると合いますね、勉強になりました。

一方の仙禽はどうでしょう。
最初はカキの臭みをスパッと切ってカキに良く合うと思ったのですが、戻り香にカキの臭みが出てしまい今一つかなと思いました。
仙禽のとちぎ酒14はワインのような酸味なので、きっとワインに似た有機酸塩が含まれていて、カキの臭みをアフターで戻してしまったと想像します。
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ただ次のようなコメントをいただいています。
「この酒を生カキで試してみたい。」
「日本酒のイメージを変えてくれたすごく新しさを感じるお酒です。」
「白ワインより仙禽の方がカキに合う」

さて次の、スズキのソテー アメリカンソースは、風の森 純米 露葉風を合わせてみました。
品の良い香りと酸味が料理にすごく良く合っています。この風の森純米はどの料理と合わせても、途中で品の良い香りが出てきて、上品な味わいに満たされます。
気品のある感じがこのお酒の凄いとこですね。
「アメリカンソースと相性抜群」とコメントされた方もいますし、
「残り香にアルコールを感じないところが素晴らしい」とコメントを頂いた方もありました。



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いよいよメインの足柄牛サーロインの網焼きです。赤ワインはボルドーのシャトー・シマール1999です。
肉に良く合っていると思いましたが、ちょっとワインの方が強いかなと感じました。
「少しワインの味と香りが一人歩きしている、もう少し熟成が必要」と感じた方もいました。

一方の仙禽 木桶仕込 山廃純米 亀の尾は、柔らかい甘味と酸味が、肉に実に良く合っていて素晴らしいです。
熟したメロン、オレンジ、カシス、様々な香味を感じ取ることが出来ます。
「肉の脂の甘みを引き立てている」や、
「このお酒の新しさと楽しさは誰にでも分かるお勧めのお酒」などのコメントを頂きました。
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ワインと仙禽どちらが肉に合うかと言えば、ワインは渋味などで後口が暗い印象になるのに比べ、
仙禽は、太陽の陽光を存分に浴びたオレンジのような甘酸っぱさが、後口を豊かで明るい印象にしてくれます。仙禽に軍配を上げます。
デザートのクリームチーズとも良く合うんです。

いやー楽しかったですね。
みなさん真剣に料理と日本酒の相性を探求されて、たくさんのコメントを頂きました。有難うございます。

コメントを見ると、日本酒が料理に合うというコメントをたくさん頂きました。
日本酒は結構どんな料理にも合うんです。
ワインの方がむしろ料理を選ぶ傾向にあると私は思っています。
ソムリエという職業が成り立っていることをお考えいただければ分かると思います。

フランス料理などの洋風料理に合う日本酒の酒質は、
昔の辛口日本酒のような酸っぱい酸味でなく、柑橘類のようなキレイな酸があって、
洋風料理の油脂分を酸で切るような、そんなイメージの日本酒が合うのです。
この酸味に辛味をもってくると酢っぱ辛くて飲めなくなるので、
甘味を出して酸味とのバランスを取る、
柑橘類のような爽やかで綺麗な酸味に、柔らかい甘味が融合することにより、
果物のような味わいに感じるのです。

このフルーツ感が肉などに合うのだと思います。
洋風料理でよくフルーツのソースを使いますが、肉にフルーツってよく合いますよね。
フルーツ感とは決して香りに由来するものでは無く、
柑橘類のような酸味と柔らかい甘味のコラボによって生れるのです。

ともあれ非常に楽しい会でした。
さて、次回はまた違った企画を考えたいと思います。

日本酒専門店Sake芯  http://www.sake-sin.com/

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